生協労連第7次中期計画

第6次中期計画の到達点評価と残された課題

 

  第6次中期計画(2009~2014年度)は「スローガン」と「5つの基本方向」、「10の重点課題」を設定しました。全体的な到達点評価しては、第6次中期計画で掲げたスローガンと基本方向については、現時点でもきわめて有効ですし、継続されるべきものと考えます。そして、第6次中期計画で掲げた課題の到達点は、強弱はあるものの、基本的にはその達成に向けて着実に前進を重ねています。

  最賃運動やパートなど非正規をめぐる諸課題、平和運動や原発ゼロのとりくみなどについては飛躍的に前進させてきました。とりわけ、最賃運動やパートなど非正規をめぐる諸課題については、全労連運動のなかでも中心的な課題として押し上げ、運動においても中心的な役割を担ってきました。一方で、地域での運動を担う県段階でのパ臨連の結成はこの4年間でわずかでした。生協労連が地域での運動の担い手としてさらに奮闘していく必要があります。

  組織拡大については、目標との関係では大きな隔たりがあるものの、中央執行委員会と地連が軸となりながら、単組での日常活動の最重点課題となるところまで位置付けられてきました。この間の大きな教訓、成果としては、要求実現と組織拡大、組織強化を統一的なとりくみとして位置づけ、前進をはかってきているここと、「なかまがなかまを増やす」というスローガンに象徴されるように、日常の活動含め、戦線(運動の枠、層のひろがり、)が大きくひろがり、一人ひとりが労働組合活動に主体的に参加しはじめていることです。これは、東日本大震災や原発事故を契機とした市民運動の高まりのなかで、主体的にさまざまな活動に参加する層がひろがったこととも大きく関係しています。

  第6次中期計画の二つの柱である「ディーセントワーク」と「ジェンダー平等社会(男女共同参画社会)」の実現は、道のりは遠いものの、「言葉」や「内容」含めてひろく社会に認識されるようになってきました。これもまた、生協労連が果たした役割はきわめて大きいと言える。合わせて、この二つの課題についても運動と政策的な議論含め、前進させてきているといえます。

  生協労連の組織と財政については、財政の健全化(黒字予算化)をすすめるとともに、地連や部会の機能と役割について議論をおこなってきました。また生協労連積立金の再整理についても次期中計論議とあわせておこない、48回定期大会において考え方を提案するに至っています。ひきつづき、引き続き生協労連・地連および部会の機能と役割、予算の見直しなどについて議論を引き継いでいきます。いっぽうで、教育体系の整備については、2013年度に第1回学習・教育セミナーを開催しましたが、教育体系全体を構築するには至っておらず、継続課題となっています。

 

第7次中期計画を策定するにあたって(はじめに)

 

1.世界と日本の現状

 

(1)脅かされる平和で持続可能な世界

  いま世界には36の地域で紛争が起こっており、世界人口の3分の1にあたる約23億人が紛争地域に暮らしているといわれます(*1)。世界中に保有されている核兵器は16,400発で、この5年間で1,000発しか減っていません(*2)。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書(*3)は、地球温暖化への対策を何も取らないと、地球の平均気温は産業革命前と比べて約4℃上昇する可能性が高くなり、その結果穀物生産量の落ち込み、水産物漁獲量の変化等、世界的に食糧安全保障に多大な影響が出る可能性があると指摘しています。さらに人の移動や水を巡る紛争などが起これば、国の安全保障もおびやかされる可能性も指摘しています。既に地球温暖化が原因と思われる自然災害が多発しており、安全・安心な防災対策が求められています。

 

(2)世界的な貧困と格差の拡大

  世界的な新自由主義経済の拡大は、富の再配分機能を低下させ、貧困と格差の拡大という大きな矛盾を生み出しました。世界はいま、人口の22%・12億人が最貧困層で暮らす(*4)いっぽう、たった85人の富豪が35億人分に相当する財産をもっており(*5)、またミリオネア(100万ドル以上の富の保有者)は世界的に今後も増大すると予測しています(*6)。他方で経済協力開発機構(OECD)は、日本を含む加盟国で貧困層と富裕層の格差が過去30年で最大になっており、所得格差が拡大するほど経済成長が低下するとの報告書を発表しています(*7)。格差是正のためには、今まさに累進課税の強化と富の垂直的な再分配こそが求められています。

 

(3)国民生活をズタズタにする安倍暴走政治

  日本では2012年末の自公連立による安倍政権発足以来、税・社会保障、教育、労働をはじめとする国民生活のあらゆる分野で改悪がおこなわれています。その結果相対的貧困率は16.1%と先進国中第2位まで上昇し、特に子どもの貧困率は6人に1人にあたる16.3%と過去最高を更新しつづけています(*8)。

  少子化と人口減少には歯止めがかからず、東京一極集中が加速し、地方は人口流出と経済疲弊がつづいています。いよいよ211円まで拡大した最賃の地域間格差の是正と全国一律最賃制の確立が重要といえます。地方の切り捨ては、本来震災被災地本位の復興をおこなうべきところ、地元にお金が落ちない大企業中心の復興支援策をとりつづけることに代表されます。また辺野古新基地建設に反対する沖縄にたいしては、政府・与党の意に沿わない県政が誕生したとたん、政治的・経済的な圧力を露骨におこなっています。

  2011年の東日本大震災、福島第1原発事故から4年が経過しましたが、未だ22.9万人もが避難生活を余儀なくされています(*9)。うち39,111戸・82,985人が仮設住宅に暮らしています(*10)が、仮設住宅の多くは老朽化・劣化が顕著になっています。資材不足、労働者不足とあいまって復興公営住宅の建設は滞っています。原発事故は収束の見込みが立たず、生活が成り立っていないなかで国と東京電力は損害賠償を打ち切り、また政府は原発立地県の住民の意思を無視した原発再稼働への道筋を着々とつけようとしています。被災3県における震災関連死は2014年9月末現在で3,194人にのぼっています(*11)。

  「世界で一番企業が活動しやすい国」にするために、「道州制」「特区法案」「IR(カジノ)法案」を推進しながら、公務・公共サービスを切り捨て、貧困、震災復興、規制緩和(「岩盤規制改革」)、防衛(軍事)などにかかわる“良質でない”ビジネスが群がる事態となっています。

  近年「ブラック企業」が社会問題化していますが、厚生労働省の調査結果でも、若者の使い捨てが疑われる5,111事業所中、実に82%に法令違反があったと公表しており(*12)、改めてディーセントワークの実現からはほど遠い実態が浮き彫りとなっています。2014年6月に『過労死等防止対策推進法』が成立しました。日本において過労死、過労自殺が深刻な社会問題となっていることがその背景にあります。しかし安倍政権は大企業・財界の意向のまま「残業代ゼロ」「過労死促進」につながる労働時間規制撤廃を目論んでいます。

  非正規労働者はついに2000万人を超え、非正規比率は38.0%となりました。さらに年収200万円以下のワーキングプアは8年連続で1000万人を超え、4人に1人へと大幅に増加しています(*13)。最低賃金は2010年からの5年間で平均50円上昇しましたが、加重平均額はまだ780円であり、これでは最低生計費水準はおろか「2020年までに平均1,000円をめざす」とした2010年6月の政労使合意にも程遠い状況です。非正規労働者の7割は女性であり、男女格差が縮まらない要因ともなっています。

  女性労働者に対するセクハラ、パワハラ、さらにマタハラの横行は、ジェンダー平等の実現を阻害しています。政府は国連の女性差別撤廃条約にもとづく委員会からの勧告を事実上無視しつづけています。

 

(4)「戦争する国」が現実のものに

  2015年は戦後70年、被爆70年です。しかし日本が戦地で人を殺す危惧はいよいよ現実問題となってきました。テロや紛争をはじめとする世界の緊迫した情勢を背景に、北朝鮮や中国を仮想敵国とした軍事力強化、日米安保体制強化、そして最終的には国民投票の実施を経た憲法9条改定が現実のものとして目論まれています。沖縄では県民大多数の民意を無視した辺野古新基地建設がすすめられようとしていますが、反対する市民が警察や海上保安庁によって拘束される異常な事態となっています。米軍基地が日本国民を守るためのものではないことは明白です。自民党や与党によるマスコミへの報道統制は露骨になり、国民は知らず知らずのうちに耳をふさがれた状態となっています。

  「平和である」ということについて、安斎育郎先生は「紛争があるとかないとかではなく、一人ひとりの人権が守られていることこそ平和」と述べています。政府は教育改革や特定秘密保護法の施行とあわせて、国のかたち、社会体制そのものを変える「戦後レジームからの脱却(総決算)」を着々とすすめつつあり、まさに今、「平和」はかつてなく危うくなっています。今こそ日本は平和憲法を土台にした平和外交をすべきであり、そのためにも日本国憲法を変えてはなりません。憲法と平和を守る闘争は、次期中計期間中の大きな運動課題です。

 

(*1) UCDP(Uppsala Conflict Date Program)『Active conflicts by type』および『Active conflicts by region』より、2009年時点のデータ。

(*2) アメリカ科学者連盟(Federation of American Scientists)の調査による、2014年現在の世界の保有核数(NPT未批准の4ヶ国を含む9ヶ国の推定合計)。

(*3) 2013~14年発表。

(*4) 国連『ミレニアム開発目標報告 2013』より、2010年現在のデータ。

(*5) 国連『人間開発報告書2014』より。

(*6) クレディ・スイス『グローバル・ウェルス・レポート 2014』

(*7) OECDワーキングペーパー『所得格差の動向と経済成長への影響』(2014年12月)

(*8) 厚生労働省『国民生活基礎調査』(2014年7月)

(*9) 復興庁発表(2015年2月12日現在の全国の合計)

(*10) 内閣府発表(2015年1月現在の被災3県の合計)

(*11) 復興庁発表(2014年12月26日発表)

(*12) 厚生労働省の立ち入り調査結果(2013年9月)

(*13) 国税庁『民間給与実態統計調査』

2.労働組合の可能性と責務

 

  一点共闘は、各々別の価値観を持ったもの同士がその違いを認めて一致できる点で共同・共闘することであり、それをきっかけにさらに大きな運動、ひいては社会変革へと発展する可能性を持っています。世界においては2011年9月にニューヨークでおこなわれた反格差デモ(『ウォール街を占拠せよ』)は100ヶ国1,000都市以上に拡大した。また2014年5月15日には『ファストフード世界同時アクション』が30ヶ国でおこなわれ、9月4日には全米100都市以上のファストフード労働者がストライキに立ち上がりました。こんにち、労働組合は世界的に組織率が低下し運動は低迷しているように見えるが、新自由主義支配に反撃する新たなたたかいがEU、アメリカ、ラテンアメリカ、東南アジアなど、世界各地で生まれています。

  日本においては反貧困(『年越し派遣村』)、原発なくせ、TPP(*14)参加反対、特定秘密保護法阻止、労働法制改悪反対、といった行動でこれまでにはありえなかった一点共闘が生まれ、ついに改憲反対の運動でも実現しつつあります。こうした運動の発展は着実に時々の政権を追い込んできています。安倍首相が2012年12月の就任時に憲法96条改定に意欲を示したものの、その後反対の世論が大きく高まり、改憲派保守からの反対も公然化する中で、明文改憲を一旦断念せざるを得ない状況にまで追い込んでいますし、また『九条の会』が全国的に大きく広がり、改憲反対の世論を大きく作り出してきたことも物語っています。それら運動の中心(陰ながらも含め)は労働組合が担っています。労働組合は資本に対抗できる、憲法で保障された唯一の労働者の組織であり、市民団体(NGO)や地域、国民と運動を結びつける接点ともなりえます。

  いま、資本、および権力と労働者の力関係を変え、労働者の力を強めるために、労働組合の組織強化と組織拡大は全労働者の最重要課題です。特に日本の労働組合の組織率17.5%を圧倒的に引き上げることが求められています。特にパート労働者の組織率6.7%、中小企業(100人未満)労働者の組織率1.0%(*15)の大幅な引き上げは急務として、あらゆる手だてが求められます。組織強化の点では、学びにより科学的なものの見方を得ること、真実を知ることが労働者の力となりえます。労働組合はそのための発信と学習・教育強化を怠ってはなりません。また国際的な労働者の連帯、広範な国民との連帯の構築が、今後の力関係を変える重要な鍵となりえます。地方・地域労連等への労働相談は後を絶たないことからも、労働者のよりどころとしての労働組合への期待はむしろ高まっています。生協労連は、労働運動全体の未来の発展のため、またナショナルセンターである全労連の一翼を担う立場、特に非正規運動の中心を担う立場からも、組織拡大と強化に全力を挙げてとりくむ決意です。

 

(*14) 環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)。「環太平洋パートナーシップ条約」ともいう。

(*15) 厚生労働省『平成26年労働組合基礎調査』

3.生協労連の果たすべき役割と運動課題

 

(1)貧困と格差の撲滅

  生協労連はディーセントワークを第6次中期計画の中心課題にしてきました。しかし貧困と格差の問題が解消されない限り、ディーセントワークは実現しません。かつて貧困問題は発展途上国の問題として位置付けられていました。しかし現代は新自由主義経済の結果として先進国における貧困が大きな問題となっています。日本においても年収200万円以下のワーキングプアは1100万人を超え、特に女性や子どもの貧困問題は深刻です。生協を含む流通・小売においては非正規労働者が大半を占めており、その矛盾を露呈させています。責任のある仕事を任されながら、しかし最低生計費に満たない年収しか得られず、少なくない労働者がダブルワーク・トリプルワークを余儀なくされています。貧困問題は、今まさに労働運動としての重要な課題となっています。貧困撲滅に向けては国連、ILO(国際労働機関)、ICA(国際協同組合同盟)は共通して、公共でも企業でもない第3のセクターとしての協同組合の役割と運動に期待しており、こうした点からの生協への働きかけも必要といえます。

 

(2)ディーセントワークの実現

  ILOはディーセントワークを「すべての男女に、自由、公平、保障、人間としての尊厳が確保された条件もとで、生産的で働きがいのある人間らしい仕事を得る機会を推進すること」と定義し、以下の5つの構成要素によって実現されるべきものとしています。

 現代の状況は、様々な分野でディーセントワークが欠如した状態となっています。ディーセントワークの実現のために、生協労連と加盟組織は、生協(企業)内の要求闘争と、国民的課題や政治闘争の両面でとりくみを強化する必要があります。また、流通・小売にかかわる労働者を組織していることから、産業政策の観点から、生産、流通、消費に至るすべての労働者にディーセントワークが確保されるためのとりくみをすすめることも重要となっています。その実現のためには、他の流通労組や地方労連、業界団体等との対話・共同を重視していくことが求められます。あわせて、これらの産業にかかわる労働者の組織化が重要になっています。

 

(3)ジェンダー平等の実現(均等待遇の実現とあわせて)

  生協労連は2004年から男女共同参画社会の実現を掲げてきました。『男女共同参画』は生協労連ではその後6中計で『男女平等』、2011年の第44回定期大会方針からは『ジェンダー平等』と言い換えて方針に掲げています。

<「ジェンダー」とは>

  ジェンダー(gender)とは、社会的・文化的に作られた性を意味すると同時に、男性・女性ではとらえきれない多様な性(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなど)をも意味します。もともと、英語圏では性を意味する言葉としてセックス(sex)を使っていましたが、近年、国や地域や時代によって、男らしさ女らしさは異なるし、経済、社会、文化における性差も異なるため、社会的・文化的に作られた性差を表す言葉としてジェンダーが使われるようになりました。このことから生協労連も「男女共同参画社会」ではなく、「ジェンダー平等社会」という言葉を使うようになりました。

  ジェンダー平等は国連とその関連組織全体でとりくむ目標となっています。ILOは、ディーセントワークの実践の5つの柱の全てについて、ジェンダー平等の視点を基本に据えることを求めています。なぜなら、女性を中心にディーセントでない雇用や労働条件が蔓延しているからです。つまりディーセントワークの目標は、男女とも人間として尊重され保護される職場と家庭生活を保障することです。

  生協労連ではこの間、「職場でジェンダー平等を実現する3つのルール」として、①同一価値労働同一賃金原則(雇用形態が違っても同じ仕事なら職務評価基準に沿った同じ賃金を支払え)、②機会の平等原則(採用、選考、昇進を含めた雇用機会の不平等の是正)、③間接差別を認めないこと(非正規労働者の女性比率が圧倒的に高いことからくる賃金格差等の解消)、を掲げています(*16)。つまりジェンダー平等を求めるたたかいは、パートの均等待遇を求めるたたかいであり、女性労働者(その大半はパート労働者)が組織人数の7割を占める生協労連においては、組織の根幹を占める課題です。

  生協労連では5月30~31日に開催したシンポジウムにあわせて、『一人ひとりが自立して生きられる社会システムをめざそう~年収250万円でも幸せに暮らせる社会の実現を』と題した政策文書一次案を作成しました。この政策文書は、「賃金(収入)だけに極度に依存する社会ではなく、一定の収入のもとであれば社会保障・セーフティネットがきちんと働いて、誰でもが人間として自分らしく生き暮らせる社会の実現をめざす」ことを目的とするもので、秋に完成版を発行する予定としています。これまで生協労連としては、現在の社会システム(税制・年金・社会保障制度・教育・住宅・その他)を前提として、年収300万円(時給1,500円、月収23万円)を一人が自立して暮らせる最低生計費としてその獲得をめざしてきていますが、この政策文書は根本的な社会システムの変革をともなう考え方として示したものです(*17)。生協労連では、この政策にもとづく運動の具体化を図っていきます。

 

(4)生協と関連で働く労働者の要求実現、生協改革の実現

  現在生協職場は、数値至上主義と深刻な人員不足のなかで、労働者と職場の疲弊は限界にきています。生協労連は第6次中期計画で、日本生協連の第11次全国生協中期計画(2010~2012年度、*18)と2011年に策定した『全国生協の2020年ビジョン』に積極的に対応することとし、「生協改革」(生協の健全な発展と労働者の要求実現)を軸に方針を提起してきました。その政策的対置として、生協政策委員会は2013年11月に、「組合員」「地域」「人」「社会」の4つの視点を手掛かりに『生協と生協労働者の未来をつくる2020年への提言~生協で誇りと生きがいを持って働きつづけられるために~』を提起しました。

  『提言』は、①組合員とのコミュニケーションを再構築し、「いい仕事がしたい」「組合員に喜ばれる仕事がしたい」という想いの実現を、②地域と生協をつなぐ事業と協同を、③人権の尊重と人間の成長を目的とした組織風土とマネジメントの確立を、④社会にしっかりものを言う、意見することが生協組合員の要求に応えること、を手がかりに本格的な生協改革をすすめよう、としています。この『提言』を労使が真正面から受け止め、議論しとりくむことがますます重要となっています。流通・小売産業は非正規労働者比率が他業種と比較して非常に高いこともあり、賃金水準・労働条件は他業種よりも相対的に低く置かれています。流通・小売労働者の社会的地位向上を含めた産業政策が求められています。

  またこの間、生協労連ではアルバイト、福祉労働者、子会社、個配や夕食宅配などの委託労働者の組織化をすすめてきており、また今後生協の新規事業も展開されようとしていることから、こうしたなかまに対応する方針、政策が求められています。子会社、関連、委託会社の労働者の組織化にあたっては、対等な労使関係の構築がそのカギを握っています。

  労使の個別課題としては、「賃金・人事制度闘争」「不払い撲滅、労働時間短縮闘争」「労安活動」等のとりくみの前進は引きつづきの課題として挙げられます。さらに、5中計まで企画していた店舗・無店舗セミナー、さらに介護ヘルパーへのセミナーなど、労働者のスキルアップは労組員の要求として依然高いものがあります。一方で「生協運動」や「協同組合とは」といった原点の教育が不足しており、生協労連としてどう対応するかの検討が求められています。

 

(5)労働組合の組織拡大・強化

  貧困と格差が拡大する社会の中で、生協職場にも矛盾が拡大しています。未組織の多くのなかまと手をとりあって、働きやすい職場つくりをめざすことは労働組合の使命です。全国の医療生協、職域生協を除く地域・大学・学校生協と、その子会社、および生協で働く委託労働者の総数は15万人を超えると推計されます(*19)。たいして生協労連の組織は6万5千人弱であり、組織拡大のフィールドは広大にあります。年間で1万人の人加入と純増の達成を目標に掲げ、この数年間は5~6千人の拡大をおこなってきましたが、退職者の増加によって純増には至っていません。拡大の意義は浸透しています。春闘前進、最賃闘争をはじめとした諸闘争と結合させ、一人ひとりが主体的に行動する組織拡大をめざしていくことが求められます。

  いっぽうで日常の労組活動が困難に陥っている単組も少なくありません。労組役員の担い手不足もあり、執行委員会や職場討議が開催できていない、さらには大会がここ何年にもわたって開催できていない単組もあります。そうした単組への支援を地連を軸にして強め、この中計期間中に困難単組を解消していくことも重要な課題といえます。

 

(*16) 生協労連『第1回学習・教育セミナー』課題別講座テキストより(2014年6月)

(*17) 生協労連として「どちらの金額を目指すのか」とよく聞かれるが、文中にある通り、この政策文書の「250万円」と、この間最低生計費として実現をめざす「300万円」はまったく別物の考え方である。

(*18) 2013年度からは『第12次全国生協中期計画』(~2015年度)

 (*19) 生協労連の調査による2014年現在の推計人数。
 

第7次中期計画の基本的な考え方

 

Ⅰ.第7次中期計画の位置づけについて

 

  ①第48期(2015年度)~第50期(2017年度)までの3年間の計画で検討します。

  ②生協労連50周年を見据え、基本骨格は第6次中計を踏襲したものとします。なお6中計の「基本方向」と「重点課題」は7中計では「基本的な考え方」として統合します。

  ③第7次中計期間中に、第8次中期計画の検討とあわせて、生協労連の将来展望を見据えた長期計画(ビジョン)づくりをおこなう予定とします。なお長期計画(ビジョン)の確定・施行時期については今後検討します。

 

Ⅱ.第7次中期計画のスローガン

 

働くものの団結で人権と平和が守られる持続可能な世界と社会をつくり、ディーセントワークとジェンダー平等社会の実現をめざそう

 

Ⅲ.第7次中期計画でめざす基本的な考え方

 

1.平和な世界の実現

  ①解釈改憲を含む憲法改悪を阻止し、あらゆる分野で憲法が守られ活かされる社会の実現をめざします

  ②核兵器をなくし、平和で戦争のない世界をめざします

 

2.安心して暮らしつづけられる公正な社会の実現

  ①貧困と格差のない社会、あらゆる差別をなくし人権を守る社会の実現をめざします

  ②最低賃金は全国一律最低賃金制の確立と、早期に時給1,000円以上を実現させ、時給1,500円以上をめざします

  ③公正で持続可能な社会の実現をめざします

※「持続可能な社会」について

  一般的に、経済や社会などの人間活動が持続できる社会を意味し、環境・生物多様性問題やエネルギー問題においてよく使われています。いっぽうで、近年財界や企業経営者が「持続可能な経営」との表現を多用していますが、本来の意味からすると極めて狭い、いわば近視眼的な使い方です。生協労連では、戦争や核兵器使用、食料危機や飢餓・貧困がなく、いのちと人権が守られる社会の実現をめざす広い意味での「持続可能な社会」との表現を使用しています。

  ④ディーセントワークとジェンダー平等社会の実現に向け、広範な国民との共同を大きく広げ、社会対話の前進をめざします

 

3.均等待遇の実現

  ①全ての職場からワーキングプアをなくすために、誰もが最低生計費が保障される賃金をめざします

  ②パート法の抜本改正などにより、雇用形態に関係なく賃金・労働条件の均等待遇を実現します

  ③賃金・一時金・労働条件の改善をすすめます

 

4.安心して働きつづけられる生協(会社)と職場の実現

  ①ワーク・ライフ・バランスを実現するために、長時間過重労働の解消、労働時間の短縮をはじめとして、働き方と働かされ方の抜本的な見直し、それらを担保する諸制度の改善をめざします

  ②生協(会社)のコンプライアンス及びCSR経営を追求し、不払い労働や労災事故の撲滅をめざします。職場における労安活動の前進をめざします

 

5.生協の社会的役割の追求と民主的労使関係の実現

  ①私たちが働く生協(会社)が、社会的役割発揮ができ、そのためにいい仕事ができる環境の実現をめざします

  ②民主的な労使関係の確立をめざします

  ③食と流通に関連する労働者や労働組合、他団体との対話や共同にとりくみ、産業別労働組合としての発展方向を模索します。消費者の権利を守り、地域で社会的役割を発揮できる産業別労働組合をめざします

 

6.労働組合の拡大・強化と労働組合としての社会的役割発揮の実現

  ①生協と関連で働くすべてのなかまを視野に入れた組織拡大をすすめ、労働組合を質・量ともに大きく飛躍させ、10万人生協労連をめざします。この中計期間中は7万5千人を到達目標とします。中期的な組織拡大計画を作成し、その実現をはかります

  ②労働組合の民主的運営と、労働組合のあらゆる組織での女性・非正規比率のアップをめざします

  ③生協労連の組織と財政の強化をはかります

  ④生協労連の社会的役割として、非正規労働運動の中心的な存在となります

  ⑤生協労連50周年準備に入ります

 

7.国民が主人公の政治の実現

  ①国民本位の政治の実現をめざします

 

第7次中期計画の具体的課題

1.平和な世界の実現

 

1.解釈改憲を含む憲法改悪を阻止し、あらゆる分野で憲法が守られ活かされる社会の実現をめざします

 

(1)憲法をくらしと職場のすみずみまで活かすとりくみをすすめるともに、解釈改憲を含む改憲と、そのための国民投票の実施を許さない草の根のとりくみをすすめます

  ①安保法制をはじめとする、あらゆる改憲策動に全力を挙げて対抗します。生協労連として「憲法闘争本部」を軸に闘争を強化し、「憲法闘争交流会」の開催や「かがやけ憲法署名」の推進などをおこないます。

  ②国民の目と耳と口をふさごうとする、あらゆる法律の成立や改悪を阻止するたたかいをおこないます。

  ③勤労者通信大学「憲法コース」の受講促進や、職場での憲法学習を重視します。

  ④職場や地域での「9条の会」づくりとその活動を強化するとともに、生協や生協組合員との共同のとりくみを追求します。

2.核兵器をなくし、平和で戦争のない世界をめざします

 

(1)核兵器廃絶に向けたとりくみをすすめます

  ①核兵器禁止条約実現に向けたとりくみを強化します。すべての国の政府に、すみやかに禁止条約の交渉を開始するよう求める『アピール署名』を大きく展開するとともに、国民平和大行進、3.1ビキニデー、原水爆禁止世界大会への参加を強めます。

  ②核兵器開発につながる、原発の再稼働・輸出に反対します。

  ③被爆者援護のとりくみを引きつづきすすめるとともに、『ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会』など草の根の活動を通じて、被爆、戦争体験を継承し、次世代へつなげるとりくみをすすめます。

 

(2)安保条約を破棄し、基地のない日本、中立の日本の実現をめざします

  ①辺野古への新基地建設を許さないたたかいをはじめ、米軍基地撤去のたたかいをすすめます。

  ②「沖縄基地戦跡めぐり」などの企画を継続するともに、単組、地連など各地で戦争を語り継ぐ活動、戦争を掘り起こす活動など、平和のとりくみを推進します。

  ③日米安保条約廃棄に向けた学習と運動、世論作りをすすめます。

  ④オスプレイ配備に反対し、日本からの撤去を求めるたたかいをすすめます。

  ⑤2015年秋に横須賀に交代配備される米原子力空母ロナルド・レーガンなど、米空母の母港化を許さないたたかいをすすめます。

2.安心して暮らしつづけられる公正な社会の実現

 

1.貧困と格差のない社会、あらゆる差別をなくし人権を守る社会の実現をめざします

 

(1)貧困と格差のない社会をめざします

  ①世界的な貧困撲滅への生協労連としてのとりくみを検討し、その具体化をはかります。

  ②生協労連としては当面、実態告発や署名活動、議員・省庁要請行動などをおこないながら、ワーキングプアをなくすたたかいを強めます。

(2)あらゆる分野における差別に反対し、人権を守る社会の実現をめざします

  ①人権をないがしろにする風潮を許さない社会の実現に向けたとりくみをすすめます。ヘイトスピーチなど、民族差別につながる行動には断固反対します。

  ②ジェンダー差別を許さない社会の実現をめざすたたかいを強めます。特に生協労連として、雇用形態間差別を中心とした間接差別をなくすたたかいを強化します。国連女性差別撤廃委員会の勧告を国に全面実施させるなど、ジェンダー平等実現に向けたとりくみをすすめます。

2.最低賃金は全国一律最低賃金制の確立と、早期に時給1,000円以上を実現させ、時給1,500円以上をめざします

 

  ①2010年の政労使合意である「できる限り早期に全国最低800円、2020年までに全国平均1,000円目標」の可及的速やかな実行と度全国一律最賃制実現、さらに最低生計費をまかなえる時給1,500円への早期到達のために、政党や国会議員への要請、諸団体との懇談などを通し、社会的な合意形成の実現をめざします。

  ②中央、地方での最賃審議委員の実現をめざします。地方でのとりくみを強化します。

  ③「最賃パンフ」などのツールを発行しながら、地連・単組での最賃体験や学習をすすめます。

  ④最賃闘争本部を軸に、運動の前進をはかります。

  ⑤神奈川最賃裁判を支援します。

 

3.公正で持続可能な社会の実現をめざします

 

(1)労働法制の改悪を許さないたたかいを強めます

  ①「残業代ゼロ」「過労死促進」につながる労働時間規制撤廃を含む、労働基準法改悪に反対するたたかいを強めます。

  ②「生涯ハケン」「正社員ゼロ」につながる労働者派遣法の改悪を許さず、派遣労働の原則である「臨時的・一時的」な業務に限定させるたたかいを強めます。

  ③有期雇用規制強化の課題では、有期雇用は合理的な範囲に制限すべきとの立場に立って、世論作りの運動を強めます。

  ④「解雇の金銭解決」など、首切り自由につながる解雇規制の緩和・撤廃を許さないたたかいを強めます。また、雇用の促進のための助成の充実など、中小企業支援策の強化、労働時間短縮による雇用確保、公的分野における雇用創出などの具体化を求め、政府・財界へのとりくみを強化します。

  ⑤地方や地域での「生活・労働相談活動」への協力、支援のとりくみに結集します。

(2)増税と社会保障改悪へのたたかいを強めます

  ①2017年4月からの消費税10%への増税に反対します。法人税減税の反対など、大企業・大金持ち優遇税制の是正と、軍事費を削減し暮らしにまわす世論づくりと運動を重視してとりくみます。中央・地方の消費税廃止各界連絡会に結集していくとともに、様々な団体との懇談や共同を追求します。

  ②これ以上の社会保障制度の改悪を阻止し、充実を求めるたたかいを強めます。社会保障制度改革推進法、社会保障改革プログラム法の廃止を求めたたかいます。

  ③生協労連ディーセントワーク委員会の提言文書『一人ひとりが自立して生きられる社会システムをめざそう、年収250万円でも幸せに暮らせる社会の実現を』の運動化(税制、年金、医療制度、社会保障制度、教育政策、住宅政策、その他)をすすめます。

(3)「食」と「農」を守る共同のとりくみをすすめます

  ①食健連などのとりくみにし、TPP阻止、農業・農協改革反対など、地域での「食」と「農」、そして「協同組合」を守るとりくみをすすめます。

  ②生協労連の「食の政策」を深化させるとともに、生産者との交流、港湾調査などのとりくみをすすめます。

  ③日本生協連、事業連合、農協組織、商業・流通関係労組など他団体との懇談にとりくむとともに、共通する課題での共同や連携を強化します。

  ④行政への要請や業界団体、労働組合などとの懇談をすすめます。

  ⑤安全・安心を担保する前提条件として国内外の生産者の権利を守ります。国内外の生産者の権利とくらしと安全を保障できる生産のあり方を実現させるために、フェアトレードの推進などを具現化するよう求めていきます。

(4)原発なくせ、震災復興のとりくみをすすめます

  ①原発再稼働を許さず、新増設ならびに海外への原発輸出に反対します。

  ③原発依存から再生可能エネルギー主体への転換を基本とした、エネルギー基本計画の抜本的な転換を求めるたたかいをすすめます。

  ④国や東京電力による、福島第1原発事故に対する賠償打ち切りに反対するとともに、責任追及を継続させます。

  ②地域主体の復興と被災者支援制度の拡充にとりくみます。

  ⑤被災地支援活動に継続してとりくみます。

(5)環境にやさしい社会の実現をめざします

  ①24時間・365日型社会の転換をめざし、生協労連として流通・小売における営業日・営業時間の見直しを含む、環境にやさしい社会のあり方を研究します。

  ②地球温暖化防止に向けた運動をすすめます。そのための学習活動を強めるとともに、他団体との懇談や要請、連携や共同のとりくみを強化します。気候変動枠組み条約締約国会議などへの代表派遣もすすめます。

4.ディーセントワークとジェンダー平等社会の実現に向け、広範な国民との共同を大きく広げ、社会対話の前進をめざします

3.均等待遇の実現

 

1.全ての職場からワーキングプアをなくすために、誰もが最低生計費が保障される賃金をめざします

 

(1)個人が自立して自分らしく生活することができる社会の実現をめざします

  ①生協労連の『自立化政策』にもとづき、働けば誰もが自立して暮らすことのできる社会づくりに向けた運動を展開していきます。具体的には『時給1,500円、月収23万円、年収300万円』をめざす運動にとりくみます。

  ②同一価値労働同一賃金原則にもとづく賃金・人事制度をめざします。

  ③エリア・職種限定の労働者、定年再雇用労働者の抜本的な処遇改善をめざします。

 

(2)すべての職場からワーキングプアの解消をめざします

  ①委託や関連のなかまも視野にした「すべての職場からワーキングプアをなくそう」のキャンペーン活動を推進します。

  ②労連・地連の統一要求にもとづく要請活動、懇談に重視してとりくみます。

  ③生協関連、とりわけ委託労働者の要求と政策化、組織化をすすめます。

  ④地域商業小売で働く労働者との対話を追求するとともに、調査活動、要求の確立とその政策化、組織化にとりくみます。

 

2.パート法の抜本改正などにより、雇用形態に関係なく賃金・労働条件の均等待遇を実現します

 

  ①有期雇用規制強化の課題では、有期雇用は合理的な範囲に制限すべきとの立場に立って、世論作りの運動を強めます。

  ②政党や国会議員への要請、諸団体との懇談などを通し、均等待遇実現の社会的な合意形成の実現をめざします。

  ③全労連やパ臨連などとともに、均等待遇の実現のための法的規制のあり方を模索し、その合意形成をめざします。

  ④連合含む他団体との対話や共同のとりくみを重視します。

  ⑤社会的なアピールや広報を重視してとりくみをすすめます。

  ⑥日本が批准していないILOの第111号(差別待遇)、第175号(パートタイム労働)などの条約の批准のとりくみを重視するとともに、すでに批准してある諸条約の積極的活用にもとりくみます。そのために、ILOや他団体などとの懇談や共同を追求し、国際的な連帯を基礎とした運動をすすめます。

 

3.賃金・一時金・労働条件の改善をすすめます

 

  ①賃金の底上げを重視するとともに、賃金体系の改善をすすめます。

  ②成果主義賃金制度の見直しをすすめるとともに、賃金・人事制度の見直しにとりくみます。

  ③均等待遇を前進させていくために、仕事をものさしとした賃金制度へのとりくみをすすめます。そのために、職務評価・職務分析や階層別要求化などのとりくみを重視します。

  ④均等待遇の視点で一時金要求方針を組み立て、一時金の減少傾向に歯止めをかけます。

  ⑤働きつづけられる職場づくりのため、労働条件や福利厚生の維持・前進に向けたたたかいを強めます。

4.安心して働きつづけられる生協(会社)と職場の実現

 

1.ワーク・ライフ・バランスを実現するために、長時間過重労働の解消、労働時間の短縮をはじめとして、働き方と働かされ方の抜本的な見直し、それらを担保する諸制度の改善をめざします

 

(1)労働者の雇用を守り、定年延長をめざします

  ①労働者の雇用を労働組合の存在意義をかけて守ります。雇用問題については、「『事業所の統廃合・移転・閉鎖・縮小』に伴う雇用問題への対応方針」を基本に、すべての労働者の雇用を守るという立場でのたたかいをすすめます。

  ②有期契約労働者の無期雇用の実現をさらにすすめるとともに、均等待遇をめざします。

  ③65歳定年制の実現をめざすとともに、60歳以上の労働者も含めた雇用と処遇の改善をすすめます。

 

(2)仕事と家庭の両立をめざし、労働時間の短縮と働き方の見直し、制度改善をすすめます

  ①年間所定労働時間1,800時間、年間実労働時間2,000時間以下をめざすとともに、長時間過重労働の解消、労働時間短縮、有休消化のとりくみを重視します。育児・介護休業制度の拡充、育児時短制度の改善をめざします。

  ②男女、正規・非正規問わず、すべての労働者が家族的責任を果たすことのできるよう、制度改善と運動にとりくみます。

  ③母性保護にかかわる権利の拡充をめざします。雇用形態の違いを越え、すべての女性労働者の要求に発展させます。

  ④生協(会社)の次世代育成計画の点検と推進、ポジティブアクションに積極的にとりくみます。生協の職場における正規女性の比率を引き上げるとともに、女性管理職比率を抜本的に引き上げられるよう、働き方・働かせ方の見直し、登用基準の見直しを求めていきます。

  ⑤国が策定する「男女共同参画基本計画」などへの積極的な問題提起や要求のとりくみをすすめていきます。

  ⑥労働法制の改悪を生協職場に持ち込ませないたたかいをすすめます。

 

2.生協(会社)のコンプライアンス及びCSR経営を追求し、不払い労働や労災事故の撲滅をめざします。職場における労安活動の前進をめざします

 

(1)不払い労働の撲滅など、生協(会社)のコンプライアンス及びCSR経営を追求します

 

(2)労働安全衛生活動、いのちと健康をまもるとりくみを前進させます

  ①メンタル不全、ハラスメントは依然として深刻な問題となっています。生協(会社)に指針の策定、充実などをもとめていくとともに、個別課題での解決をめざします。

 ②労働安全衛生ハンドブックといの健委員会『提言』を活用し、労働安全衛生活動の質的前進をめざします。

 ③すべての職場での労働安全衛生委員会の設置をめざすとともに、法に準拠した活動をめざします。

 ④職場での労災事故を根絶していくため、業態別に発生している事故を分析、原因と対策などを共有化するとりくみをすすめます。

  ⑤2014年6月に成立した『過労死等防止対策推進法』を生かすとりくみをすすめます。

 ⑥産業医や保健スタッフの充実を要求していくとともに、連携を強めます。

 ⑦「労働安全衛生セミナー」を継続し、その内容の充実をすすめます。

 ⑧いの健全国センター、社医研、地方センターへの結集を強め、中央、地方での運動の前進をめざします。

 

5.生協の社会的役割の追求と民主的労使関係の実現

 

1.私たちが働く生協(会社)が、社会的役割発揮ができ、そのためにいい仕事ができる環境の実現をめざします

 

(1)消費者の権利を普及し発展させ、食を中心とした生活事業と消費者の権利に関する専門家として地域と産業で役割が果たせるようにします

 

(2)働きがいのあるいい仕事の実現をめざして(育ち合える職場運営、消費者の権利に貢献できる専門性の育成)

  ①「人を大切にするマネジメント」をめざし、そのレベルを深めます。そのことにより生協経営と生協の信頼性を向上させ、人が育つ組織づくりをすすめます。

  ②安全で安心できる商品供給をするため、労働者の知識とスキルを育成するしくみを求めます。

  ③マネジメント水準の向上がきわめて重要となっています。不正や犯罪・ハラスメントに関与しない、納得し行動してもらえるためのトレーニングを、経営の責任で実施するよう求めます。また、労働組合として、日常的な職場運営の点検や組織診断などができるような研修会の開催なども検討します。

  ④事業や産業の変化に伴う能力の再開発・雇用訓練、メンタルケアなどへの対応を検討します。

  ⑤生協労連の店舗セミナー、無店舗セミナーなど、労働者のスキルアップセミナーなどのあり方を検討します。

  ⑥生協政策委員会『提言』を使った学習や労使協議を促進します。

  ⑦生協の委託化政策を生協理事会に質すとともに、子会社や委託労働者も含めた「生協内公契約(もしくは「生協内最賃協定」)」などの研究をすすめます。

 

2.民主的な労使関係の確立をめざします

 

(1)日本生協連のビジョン・中計・年度方針に積極的に対応します

  ①経営に対し、説明責任の徹底と学習、討議の推進を求めていきます。

  ②生協労連としての政策的対置を検討します。

 

(2)日本生協連、各事業連合との集団的な労使関係づくりをめざします

  ①この間積み上げてきた日本生協連との懇談を定期協議へ発展させます。また、コープ共済連、各事業連合との対応を強化し、集団的な労使関係を模索します。

  ②大学も含め、各事業連合にたいする評価と各事業連合を見据えた労働組合の課題や労使関係のあり方を追求します。共通する課題や個別的な課題での要請書や統一要求書を提出し、集団交渉の実現をめざします。同時に、各事業連合に対応する労働組合組織のあり方も模索します。

  ④経営の危機における労働組合の役割と課題(事業や雇用も含めて)を明らかにしていきます。

 

(3)これまで積み上げてきた集団的福祉をいっそう前進させます

  ①生協とその関連会社で働く職員の福利厚生と健康の維持・増進のためにつくられた3団体(れいんぼーくらぶ、日生協健保組合、日生協企業年金基金)をいっそう前進させるためにとりくみます。

  ②2013年12月に出された『生協労連の福利厚生政策』をベースに、均等待遇の視点で福利厚生施策を前進させ、働きつづけられる職場づくりに向けてとりくみます。

 

(4)関連会社との懇談や定期協議を模索します

  ①日本生協連や全国の生協の関連会社や子会社、委託先会社との懇談、情報交換をおこないます。

  ②必要な調査活動などにとりくみます。

 

(5)単組の民主的な労使関係づくりを追求します

  ①単組における生協理事会(会社)との民主的で対等・平等な労使関係を構築するために、地連を中心にして単組を支援します。「生協労連統一要求書」を活用して、理事会に説明責任や誠実な回答をするよう求めていきます。

 

(6)解雇闘争など、すべての争議の解決をめざします

 

3.食と流通に関連する労働者や労働組合、他団体との対話や共同にとりくみ、産業別労働組合としての発展方向を模索します。消費者の権利を守り、地域で社会的役割を発揮できる産業別労働組合をめざします

 

(1)食と商業流通に関連する労働者の対話と組織化、交流にとりくみます

  ①生協に関連する労働者全体にディーセントワークを実現していくとともに、そのことを通じて消費者の権利の確保と生協の持続可能な発展をめざします。

  ②地域の小売流通業で働く労働者との対話と組織化にチャレンジします。生協労連の政策と活動を地域の小売流通業に広げ、地域の産業と地域との共同を模索しながら、産業としての水準の向上にとりくみます。

 

(2)協同組合で働くなかまとの連帯・交流をすすめます

  ①協同組合労組懇談会(全農協労連、全漁協労、全森労、厚生連、金融労連、生協労連ほか)を継続、発展させます。協同組合解体攻撃には連帯してたたかいます。

 

(3)産業別組織への接近方法について検討し実践します

  ①生協労連と地連での集団的労使関係の強化を通じ、単協の枠を超えた労働規制の実現を意識的に追求します。地連の役割を強化し、組織化・単組支援・広域労使関係・他産別との交流にとりくみます

  ②委託先や商業流通での組織拡大をすすめます。産業に対する社会的な責任をよりいっそう果たせるようにします。受皿として、地連で生協関連と食と流通を対象とした一般労組を結成します。

  ③食の安全、最賃、均等待遇などの課題を前進させるために、商業流通単産との連携をヒアリング・意見交換から再開し、交流共同のあり方を模索します。

  ④第三次産業労組連絡会(全農協労連・全倉運・金融労連・全損保・生協労連)の活動を継続・発展させます。

 

(4)一致点にもとづく共同を大きく推進、前進させます

  ①生協理事会との共同、生協組合員との共同を全国ですすめます。

6.労働組合の拡大・強化と労働組合としての社会的役割発揮の実現

 

1.生協と関連で働くすべてのなかまを視野に入れた組織拡大をすすめ、10万人生協労連をめざします。この中計期間中は7万5千人を到達目標とします。

 

(1)10万人生協労連の実現めざして

  ①10万人生協労連への道筋をつけるため、7中計期間中は7万5千人への到達を目標とします。

  ②とりくみをより具体化するために、組織拡大中期計画を作成します。

 

(2)7中計期間中の7万5千人到達のために

  ①生協労連加盟単組での未組織労働者の組織化(正規、パート・アルバイト、再雇用者、福祉・介護で働くなかまなど)をすすめます。

  ②組織拡大とあわせて、脱退を含めた減少を食い止めるとりくみについて共有化していきます。

  ③組織率50%未満の単組の引き上げをはかるため、組織拡大重点単組を設定します。

  ④生協労連未加盟生協で働くなかまの組織化、未加盟単組の生協労連加盟をすすめます。生協労連の組織がない空白県を早期に解消します。

  ⑤生協関連企業で働くなかまの組織化をすべての地連、単組でのとりくみとします。

  ⑥委託先や商業・流通関係で働くなかまの組織化をすすめます。また、そのための組織の具体化をすすめます。委託対策会議、「委託・子会社で働くなかまのつどい」を継続、発展させます。

 

(3)組織拡大の責任については中央執行委員会が負います

  ①年度方針にもとづき、具体化については、四役会議などの議論も踏まえながら、提起し、中央執行委員会でその具体化を図ります。

  ②各地連、単組での組織拡大を推進するために、中央にすべての地連からの選出で組織拡大推進委員会を設置します。

  ③組織拡大・強化セミナーを開催します。

  ④中央としてのオルグ配置を継続します。また「組織拡大推進特別基金」を活用し、地連・単組におけるオルグ専従配置補助をおこないます。

 

(4)生協労連共済の拡大、普及をめざします

 ①生協労連共済を組織拡大のツールとして大きく位置づけ、その普及をすすめます。

 ②生協労連共済の加入拡大と、安定的な財政的基盤づくりをめざすとともに、生協労連共済会運営委員会を中心に、制度そのものの見直しも検討します。

 

2.労働組合の民主的運営をめざします

 

(1)一人ひとりが主体的に活動できる労働組合をめざします

  ①一人ひとりが参加して発言できる労働組合の運営をめざします。

  ②参加と発言を保障するために、ものが言える職場づくりにとりくみます。

  ③基礎組織としての分会の確立・強化をすすめます。

  ④労働者一人ひとりの要求の違いを大切にして、要求作りと協議にとりくみます。労働者一人ひとりの声に寄り添い、業態、事業所、階層、職種別での懇談や交流を重視します。

  ⑤困った時に役立つ労働組合をめざします。

  ⑥役員構成、機関会議への参加など、労働組合のあらゆる場面で女性と非正規の比率をその半数とすることを目標とし、すべてのなかまの参加ができる労組運営をめざします。

 

(2)単組の機関運営の強化・再建にとりくみます

  ①地連を軸に、単組の組織運営や日常の労組活動の強化・再建にとりくみます。少なくともすべての単組が大会・執行委員会・職場討議の開催、春闘要求の提出と団交の実施、決算・予算の作成ができるよう、地連として支援します。

  ②単組のあらゆる場で学習を位置付けられるよう、地連および生協労連として支援します。

  ③役員の育成や基礎教育の充実をはかります。

 

(3)2400作戦(*20)を軸とした社会対話の活動を強化します

  ①「2400作戦」を継続・発展し、地域や生協組合員との社会対話を強めます。

 

3.生協労連組織と財政の強化をはかります

 

(1)組織と財政の改革を引きつづきおこないます

 ①引きつづき生協労連財政の見直しをすすめます。

  ②「地連・部会の機能や役割」「積立金の考え方」など第6次中期計画からの継続課題については、組織財政検討委員会を再開し、論議します。

 

(2)生協労連の教育・セミナー体系の整備をすすめ、具体化します

  ①総合的な教育体系を生協労連として策定します。

  ②第2回の「学習・教育セミナー」を開催します。なお開催頻度や規模、教科書作りやセミナーのすすめかたについては中央執行委員会で議論し、教育体系に盛り込みます。

(3)広報体制の充実・強化をめざします

 ①生協労連機関紙「生協のなかま」は、読まれる紙面づくりをめざし、定期的な記事内容の刷新と内容充実をはかります。単組含めての配布体制の確認、徹底をすすめます。編集委員会は体制含めての充実をはかります。

 ②生協労連ホームページ、フェイスブックについては、労働者への情報発信を強めるとともに、速報性やデータベースとして、地連、単組に役立つ内容になるよう改善します。

 ③春闘、秋闘におけるたたかいや交流を促進していくために、「速報(『たたかいの息吹』)」の充実をはかります。

 ④部会、闘争本部、委員会などが発行するニュースについても定期発行と内容改善をめざします。

 

(4)調査活動の充実をめざします

 ①これまでに実施してきた賃金・労働条件調査をさらに充実させるとともに、協力単組数を増やします。

 ②職場に様々な雇用形態や事業が拡大していることを踏まえ、それらに対応した独自調査などもおこなっていきます。 

 ③時々の課題や情勢に見合った調査や研究などもおこないます。

 

4.生協労連の社会的役割として、非正規労働運動の中心的存在となります

 

(1)社会的役割の強化をめざします

  ①県労連、地域組織への結集をめざすとともに、まだ加盟していない単組の加盟をすすめます。

 

(2)非正規労働運動の中心的役割発揮をめざします

  ①全労連は2014年に結成25年を迎えました。今の情勢にふさわしい役割、非正規労働者の組織化と運動を本格的に推進できるよう問題提起していくとともに、それらを推進する役割を担います。

  ②地域におけるパ臨連や非正規組織作りへ大きな役割を果たすとともに、運動でも中心的な役割を果たします。

  ③2014年に発足した『非正規議連』(*21)との交流・懇談を追求し、非正規労働者の要求前進と均等待遇の実現を図ります。

 

5.生協労連50周年準備に入ります

 

  ①生協労連は1968年9月8日に誕生しました。2018年9月8日には満50歳を迎えます。7中計期間中に財政的措置を含め、50周年に向けた準備をおこないます。

  ②50年を迎える生協労連の将来を見据えた課題を整理し、長期的なビジョンづくりの準備を始めます。

 

(*20) 生協労連で2009年度より開始した、署名宣伝行動のこと。生協労連加盟の全単組(当時は約200単組)が毎月1回のとりくみをおこなうことを目標とし(200単組×年12回)、その合計が2,400回となることから、行動の愛称として定着している。

(*21) 正式名称は『非正規雇用労働者の待遇改善と希望の持てる生活を考える議員連盟』。民主・維新・共産・社民・生活のほか、自民・公明の与党を含む超党派50人以上の衆参国会議員で構成する議員連盟。2014年11月発足。

 

7.国民が主人公の政治の実現

 

1.国民本位の政治の実現をめざします

 

①国民の雇用と暮らしを破壊しつづけている政治から国民本位の政治への転換をめざします。特に7中計期間中の3年間は、憲法改悪が強行されるかどうかの極めて大きな岐路に立っています。広範な国民・労働者との一致点での共同を広げます。

  ②民意を反映しない小選挙区制の廃止と、主権者の声が反映される選挙制度への改善を求めていきます。

  ③選挙においては生協(会社)に対し、生協で働くすべてのなかまへの公民権行使を果たせるとりくみをすすめるとともに、生協労連としてすべての労組員へ投票に行くことを呼び掛けます。

以上

 
 
 
 

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